韓国語の「ん」の発音の違い
韓国語には、日本語で「ん」と表記される音が3つあり、それぞれ異なる発音として使われています。これらの音は「ㄴ(n)」、「ㅁ(m)」、そして「ㅇ(-ng)」の音で、韓国語の発音を理解する上で非常に重要です。本記事では、これら3つの「ん」の音の発音の違いや舌の位置、そして聞き分け方について解説します。
1. パッチムのㄴ(n)
発音の特徴
パッチム(終声)の「ㄴ(n)」は、舌先と歯茎で閉鎖を作って、呼気を鼻へ通すことによって発音され、歯茎鼻音と呼ばれます。「ㅇ(ng)」と比べるとはっきり呼気が閉鎖されていることがわかります。後ろに母音や「ㅎ」がくると「ナ行」の音に変化します。
例:전화(電話、chŏn-hwaチョノァ), 미안해요(ごめんなさい、mi-an-hae-yoミアネヨ)、돈이 많다(お金がたくさんある、トニ マンタ)
日本語の例
「かんな」「だんち」「さんた」の「ん」の音に該当します。日本語では通常特定の子音が後ろに来た時に発音されますが、韓国語では単語の一番後ろでも使います。ㅇ、ㅁとは全く違う音として認識されます。日本語ネイティブからすると、ㅇパッチムとの違いが分かりにくいと言われています。
2. パッチムの「ㅇ(-ng)」
発音の特徴
パッチムの「ㅇ」は、舌の付け根を上顎の奥の方(「か」と発音する前に閉じる所)につけ閉鎖を作り、呼気を鼻へ通すことによって発音されます。音の繋がりや個人差によって舌の付け根でしっかり閉鎖する場合と、そうでない場合があります。ローマ字では-ngなどと表されるが、gの音は発音されません。パッチム「ㅇ」の後ろに母音や「ㅎ」がくると、日本語ネイティブの人が聞いた場合「ガ行鼻濁音(カ°(nga))」のような音に聞こえることがあります。口をしっかり開けて発音されるので、「ㄴ」「ㅁ」に比べて音が響くように感じられます。
例:강아지(子犬、kang-a-ji、カンアジ)、이상하다(おかしい、i-sang-ha-da、イサンハダ)
日本語の例
「かんげい」、「さんか」、「にんき」の「ん」の音に該当します。韓国語ではパッチム「ㅇ」の後ろの子音に関わらず、「-ng」の音で発音されます。
例:정부(政府、chŏng-bu、チョンブ)「ン」の後は口を閉じずに発音する。日本語の感覚だと口を閉じてしまうので注意。
例:상당(相当、sang-dang、サンダン)最初の「ン」も舌を歯茎につけないように発音する。日本語の感覚だと舌を歯茎につけてしまうので注意。
3. パッチムの「ㅁ(m)」
発音の特徴
パッチムの「ㅁ」は、唇を閉じて声を出すことで発声されます。日本語で「む」などと表されることはありますが、実際には唇を開けずに発音します。文章の最後にきている場合もしっかり唇を閉じることが重要です。うしろに母音または「ㅎ」がある場合には「マ行」の音になります。
例:다음에(次に、ta-ŭm-e、タウメ)、검안(検眼(目の検査)、kŏm-an、コマン)
日本語の例
「さんま」、「うんも」などの「ん」に該当します。マ行の音が後ろにくる時に発音されます。
まとめ
韓国語の「ん」の音は、発音の仕方や舌の位置が異なるため、正しい理解と練習が必要です。「ㄴ」と「ㅇ」は日本人にとって特に区別が難しいと言われています。韓国語を学ぶ際には、これらの音の違いをしっかりと把握し、練習を重ねることで、より自然な発音ができるようになるでしょう。韓国語の音声学習は、言語の理解を深めるだけでなく、コミュニケーション能力を高める大切なステップです。
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